会長挨拶

東海大学 名誉教授
立原 繁
 日本フードサービス学会は、1995年3月の設立後、翌年1月の第1回年次大会(テーマ:豊かで美しい食文化の創造)開催以来、本年度で30周年を迎えます。その時代時代に応じた研究課題を整理・議論し、政策立案を提示して、困難な問題を克服して参りました。
 もともと当学会は、日本フードサービス協会などの産官学の連携を重視した研究活動を標榜する学会として発足いたしました。その意味では、実学とマッチした研究テーマに恵まれた学会です。
 近年では、低迷する経済環境、デジタル化とAI 化の進展、少子高齢化などを始めとして、国際市場の重要性、競争の激化、生活者のライフスタイルや価値観の多様性、あるいは安全・安心、6次産業に代表されるビジネスモデルや業態開発、メニュー開発や人材開発・育成、企業の社会的責任など、当学会が研究対象とするフードサービス産業が直面する課題に取り組んで参りました。
 今、日本のフードサービス産業は「成長の分水嶺」に立たされています。今まで通り努力すればこれまでの延長線上に明るい未来を設計できると言い切れるフードサービス関係者は少数でしょう。その意味では、これまでの「常識化」してきた顧客像、事業観、経営スタイル、ビジネスモデル、経営戦略、等を再検討するべき時期に来ているとフードサービス関係者の殆どが自問自答しています。そのような状況下である今であるからこそ、注目する価値のある分析を研究者として提供できる絶好の「時」です。

 日本の
フードサービス産業が成長の分岐に立たされているということは、産官学連携というミッションを持つ日本フードサービス学会の会員(研究者)にとっては、「宝の山」の研究対象に囲まれているということです。この絶好の機会を活かさない手はないのではないでしょうか。もちろん一人で研究を進めることも価値があることですが、やはり先人の成果を踏まえた上で、その肩をかりて、更に研究を進めていくことはもっと重要なことではないでしょうか。そのためには、当学会の各部会での報告、研究部会等での「建設的議論」をしていただきたいと思います。そして、それらが多様な分野の方々との議論・分析、産官学の混合の研究成果を生み出すのに貢献するものと期待いたします。
 
会員はじめ関係者各位の積極的なご支援・ご協力をお願いすると共に、たくさんの方々の積極的な参加を期待いたします。